ペットの病気

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症状と原因

抗原(アレルゲン)に反応して起こる皮膚炎をアレルギー性皮膚炎とよび、そのなかで特に食物が抗原(アレルゲン)となりアレルギー反応を起こすものを食餌性アレルギー皮膚炎と呼びます。

アレルゲンとなる食物は多くは、タンパク質や炭水化物に原因があります。猫では牛肉・麦・乳製品が原因のおよそ1/3を占め、これらの食物が原因となることが更に多いようです。新しい食べ物に対して起こるよりもどちらかというと習慣的に食べていたものが原因となることが多いようです。食事を取ってから、だいたい数時間以内に皮膚が赤くなってきます。それから脱毛や皮膚が小さなブツブツが出てしまい、皮膚の表面がぽろぽろはがれるなどの皮膚炎の症状があらわれます。

治療の方法

アレルギーの原因と考えられる食べ物を突き止めるのは困難です。そのため、低アレルギー食に変えてみたり別の食事に変えるなどの処置をします。早ければ1週間後から皮膚の状態が改善されていく場合もあります。 食事性のアレルギーに関してはアレルギー専用食(アレルギーの原因となる食材が入っていないもの)だけを2ヶ月間与え、それで症状が軽快したならば食事性アレルギーと診断できます。

その後怪しいと思われる食材を一つずつ与えていくと安価かつ正確に食事性アレルギーの原因を診断できることがあります。低アレルギー食を与えているときは、他の食事は与えないようにします。抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤だけでは改善は難しいですが、これらを投与しながら、良質なタンパク質・脂肪酸を与えると症状が良くなることがあります。

症状と原因

何千種類いるノミの中で、猫によく寄生するのはネコノミとイヌノミになります。ネコノミは人間の血も吸ってしまいます。この2種は見分けるのが難しいほどよく似ています。 ノミにとって快適な気候は18℃以上、湿度70~90%。これは、日本の夏にぴったりあてはまるわけです。この環境では、ノミはわずか3週間ほどで卵から成虫になります。メスは1日10個、一生で1,000個もの卵を、猫の体や部屋のすみなどに産みつけます。 また、生命力が非常に強く、血を吸わなくても100日生きられ、血を吸えば1年以上生きて生息しています。

乾燥と寒さに弱いのですがサナギの姿をして、ひっそりと冬を越します。現在の人間の生活では暖房設備が整い、冬でも暖かい家庭が多くて、ノミも1年中生き延びられるようになったのです。ノミが体表に寄生する事により、多くの場合は強い痒みを生じ体を噛んだり、かいたりします。その結果皮膚に脱毛や炎症が生じ皮膚病になってしまいます。特に猫の腰背部、尾根部に好発します。痒みの原因はノミの刺咬(ノミが血を吸う)による直接の害と、ノミの唾液が体内に入りアレルギー反応を発現し起こる場合があります。

治療の方法

治療方法はまずは確実にノミを駆除しノミが寄生しないようにすることです。 また、細菌による2次感染がある場合は、抗生剤の投与が必要です。 アレルギーの場合は抗ヒスタミン、抗アレルギー薬、状況によってはステロイド剤の投与が必要となります。スポット・オンタイプの成ノミ殺虫剤や「発育阻害剤」などを組み合わせて、最低半年以上、根気よく薬剤を投与していきます。多頭飼育のときなど、飼い主の負担も大きくなり、全頭に投与しつづけることが難しいかもしれません。動物病院で、実現可能なノミ対策をよく相談して下さい。

飼い主さんが猫との生活環境を清潔するのも不可欠です。愛猫を毎日、ノミ取りグシでブラッシングして、成ノミの数をできるだけ減らすためにブラッシングをしてあげてください。絨毯・猫の寝床などを定期的に掃除して、辺りに潜む卵や幼虫やさなぎをできるだけ排除しましょう。布団や座布団などの乾燥と洗濯・部屋の通風・換気を心がけて下さい。

症状と原因

寄生虫症で(歩くフケ、walking dandruff )と呼ばれています。背中に落屑(フケ状のもの)や丘疹(赤く小さなブツブツ)みられ、かゆみがでて、皮膚が赤くなり、かさぶた状の分厚い大量のフケが発生します。 肉眼では確認できないほど小さいダニで、飼い主が刺されて激しい痒みで始めて猫の感染に気が付くことが多いです。

治療の方法

ネコ用のシャンプーできれいに身体を洗ってあげ根本原因となる寄生虫(ツメダニ)を排除あるいは増殖を抑えます。ダニを駆除する場合は虫の神経を麻痺させるピレスリンの粉剤を身体に散布すると効果があります。病院ではツメダニを殺す注射を2週間間隔で2-3回注射する方法が一般的の方法です。殺ダニ効果のある薬を使った薬浴で、ふけや垢を洗い流して治療することもできますが、治るまでに時間がかかります。また、ツメダニは人間にもうつるので、もし強いかゆみを感じた時や、赤い発疹ができた時は皮膚科で検診を受けてください。

症状と原因

激しいかゆみが頭部、頚部にみられ、猫は掻いたり頭を振ったりします。続いて、赤くなったり・ふけがでたり・脱毛・皮膚の肥厚・痂皮(かさぶた)などもみられるようになります。とくに頭部や耳に集中するようですが、四肢や会陰部に広がることもあります。耳ヒゼンダニは、猫や犬などの皮膚病「疥癬」を引き起こすヒゼンダニの仲間で、成虫の体長は0.2~0.3ミリ。猫や犬を始め、いろんな動物の耳の中だけに生息するダニです。猫の耳の中に寄生すると耳の分泌物や皮質などを食べて生活し、活発に繁殖してしまい卵を産卵します。

ヒゼンダニの卵は、猫の生活環境のあちこちにまき散らされていきます。外耳道に生息していると分泌物や耳ヒゼンダニの糞などが混ざった、黒っぽいかさかさしました耳垢が溜まってきます。生息数が多いと、猫の外耳道の入口辺りまで耳垢がいっぱいになることもあります。

治療の方法

薬剤を塗布する前に角質溶解性のシャンプーで薬浴し、その後硫黄石灰溶液やアミトラズという薬剤を薄めたものを塗布します。これを一定間隔あけて数回繰り返します。他に二次的な膿皮症を治療する必要がある場合は抗生物質の治療を併行していきます。

耳ヒゼンダニ感染の防止には、飼い始めの子猫期に動物病院でよく検査してもらい、もし感染していたら早めに対応しましょう。また、ケージやマット、毛布などを熱湯消毒するなど、生活環境の改善を心掛けましょう。猫が家の外に出て、感染源となる野良猫に接触したり、野良猫の縄張り、生活圏にまき散らされた耳ヒゼンダニが体に付着したりして感染することも少なくない。そのような感染機会をなくすには、子猫の時から室内飼い慣らしてあげてください。

症状と原因

寄生虫が毛包の中に寄生して皮膚炎が起こります。症状として脱毛がみられます。また毛包内に角化物の栓がつまったり発赤したり、フケがでたり、膿疱ができたりします。原因としては免疫力が低下したか、まだ弱い幼時期に多いと考えられています。発症は稀といえます。

症状と原因

白癬菌に感染すると猫は、その部位の毛がぬけて皮膚が露出し、その上に細かい糠状のかさぶたなどが付着して来ます。猫のあちこちが円形に脱毛し徐々に大きくなっていきます。

痒みはさほど無いようですが、赤くなったり炎症を起こしたりします。猫が感染する原因のほとんどは犬小胞子菌になります。伝染力が強いので多頭飼いをしている場合は注意が必要でしょう。早期に発見できると塗り薬で済むこともありますが、ひどくなると長期間の投薬が必要になります。

治療の方法

ネコ用の薬浴剤を使用して定期的に身体を洗ってあげます。白癬(皮膚糸状菌症)は人にも伝染するので、特に肌のデリケートな小児や女性は気をつけてください。この病気は病変部を少し引っかいて顕微鏡で見たり、特殊な光を当てると蛍光を発することなどで診断がつきます。飲み薬や薬用シャンプーなどで治療しますが、なかなか完治しづらく、数カ月かかることもあります。

症状と原因

副腎の働きが異常に活発になり、副腎皮質ホルモンの過剰分泌が起こる病気です。皮膚病などでステロイドを毎日のように長期間飲んでいると発症しやすくなります。水を大量に飲み、尿を頻繁に出す・食べ物を異常に多く食る・更には毛包は休止期となり抜け毛が増える・皮膚が薄く弱くなる・皮膚の感染症をかえって起こしやすくなるなど様々な症状が出てきます。また腹部の膨満により、おなか周りの筋肉が落ちてしまうので外見上は太鼓腹に見えてしまいます。

治療の方法

薬の過剰反応によってこの病気が誘発されている場合は副腎皮質ホルモン薬の量を減らすか、与える間隔を空けるかして調節をします。副腎腫瘍などが原因の場合は副腎の摘出手術が行なわれることもあります。

症状と原因

猫ちゃんのしっぽの付け根にある皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されると起こります。雌猫には殆ど見られず、去勢されていない雄猫に見られます。皮膚が傷ついて、そこからさらに細菌感染を起こし化膿する場合もあります。純血種に多い傾向があります。

症状と原因

猫でよく見られる皮膚病であり、アレルギーに関係して皮膚に炎症が起こる病気です。首、腹、腰背部に肉芽様の病変がぼこぼことでき、強い掻痒感があります。ネコ白血病が関係している場合もあります。原因ははっきりとはわかっていませんが、アレルギーによるハウスダスト・ノミの咬傷・蚊の刺咬・食物があります。また寄生虫・細菌感染・遺伝なども関連していると考えられます。また、猫がざらざらした舌で体を舐めすぎることにも関係があるそうです。

好酸球性肉芽腫症候群の症状は、皮膚がえぐれたり・脱毛したりする病気です。症状の発生場所や状態によって無痛性潰瘍・好酸球性プラーク・好酸球性肉芽腫の3つに大別されます。無痛性潰瘍では、上唇がえぐれて盛り上がる症状があります。口腔の粘膜・下唇・皮フなどにも発生します。初期では、赤く盛り上がり更には、膨らんで中心が白っぽくなります。無痛性潰瘍には痒みも痛みもありません。

好酸球性プラークは、腹部・内股・後肢・首などにぼこぼこができてしまい、その周辺が脱毛した状態となります。猫は激しい痒みを感じて、猫がざらざらした舌で舐め続けることに毛が無くなってしまいます。さらに舐め続けると皮膚まで剥ぎ取られたようになり真っ赤な肉が見えるような状態にまで進行に及んでしまいます。

好酸球性肉芽腫では、皮膚が線状に盛り上がって硬くなります(明白な線状を示すことから、線状肉芽種とも呼ばれています)。後肢の後面でよく認められますが、口の中や他の皮膚などにも認められます。好酸球性肉芽腫には痒みがありません。

治療の方法

ステロイド(副腎皮質ホルモン)で症状が引くことが多いので、注射で症状のコントロールを行います。注射の間隔は最低3週間あけていった方が良いです。皮膚炎に対する治療としてステロイドが使用されますが、寄生虫が原因の場合なら駆虫薬で、細菌感染が原因でしたら抗生物質なども使われることになります。

症状と原因

初期状態では、両方の前足の肉球が浮腫んできます。そして続けて後足の肉球も浮腫んでしまいます。この状態では猫は、痛みや痒みは無いです。ただ進行が進みますと、肉球の表面が潰瘍を起きて痛みを生じます。出血により細菌が、感染して膿が出ることもあります。原因はよく解っていないのが現状です。猫は痛みにより、うまく歩行ができなくなり、足を引きずるようになります。体のリンパ節が腫れてくるケースもあります。



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